愛犬・愛猫の歯磨きしてますか?専門家が教える口腔内ケア方法

ペットの口腔ケアしてますか?

人間は毎日起床後、食後に歯磨きや口腔ケアをしますが、ペットは口腔ケアを毎日行っていますか?
ペットが勝手に歯磨きしてくれるのであれば楽ですが、そうはいきません。飼い主さんが口腔ケアをしてあげない限り、どんどんと悪化していきます。人間は赤ちゃんの頃、乳歯が生えてきた時期に歯磨きをスタートします。赤ちゃんが自分でやるのではなく、大人が手助けをします。そして成長して行くにつれて、自分で歯磨きをできるようになりますが、ペットは永遠に自分ではできません。

  • 週1回だけ歯磨きを行っている
  • 今まで飼っている犬や猫に、歯磨きしたことがない
  • 歯磨きガムは毎日与えている
  • トリミングに行ったときに歯磨きをしてもらっている
  • 動物病院で、スケーリングしたから大丈夫
  • まだパピーだから歯磨きさせていない
  • うちの子は口を触ろうとすると怒るから、そもそも口腔ケアできない 

 など、様々な意見をよく耳にしますが……はっきり言って、これでは不十分です。昔はペットに歯磨きなんてしない、という時代があったかもしれませんが、今は口腔ケアをしてないことの方が時代遅れです。歯磨きといっても、人間のようにずっと磨くことはできません。休憩しながら、丁寧に歯磨きをマスターしましょう。

歯磨きガムだけをあげている飼い主さんも多いです。人間も歯磨きガムだけでいいでしょうか?そんなことないですよね。歯磨きガムは、噛むことでストレスを解消し、満腹感も得られ、歯にも良いです。そのため、他のおやつをあげるよりマシですが、ガムだけでは歯垢は取れません

動物病院でスケーリングをした後に何もしなければ、2、3ヶ月で歯垢や歯石が付着してしまいます。スケーリングで綺麗サッパリした後こそ、毎日の口腔ケアが必要となります。

毎日歯磨きや口腔ケアをしないと歯周炎のリスクが高くなります!

「虫歯」はペットではほとんどなく、「歯周炎」になります。これは、人間の唾液が弱酸性に対して、犬猫の唾液がアルカリ性だからです。唾液がアルカリ性のため、歯垢が石灰化して、歯石に変わります。そして、歯周炎になってしまうのがほとんどです。3歳以上の何も口腔ケアしていない犬猫の80%が、もうすでに歯周炎になっている可能性があります。

口の中が汚い=歯周炎、ではありません。歯にこびり付いてしまう歯垢は細菌の塊であり、唾液のネバネバが根本です。この歯垢が臭いの原因になります。ペットの口を開いて、奥の臼歯を見てください。何もしていないペットは、おそらく歯垢や歯石がもうすでに付着しているでしょう。

飼い主さんが仕事や外出先から帰宅したとき、ペットは喜んで走ってきて、顔や口元をペロペロ舐められたこともあるでしょう。口腔ケアをしていないペットは、口の中の細菌を飼い主さんに擦り付けていることになります。ちなみに、歯磨きをしていないペットの口の中は糞便よりも汚いと言われています。これを聞くと、毎日少しでもいいからと口腔ケアをするようになる飼い主さんが増えます。

幼少期から歯磨きの練習をしておけば、大人になった際も、問題なく口腔ケアを行うことができます。

歯周病のステージ

歯磨きの仕方

1.口に触れることで、スキンシップをとりましょう

急に歯磨きをしようとしても、ペットは嫌がる可能性があります。そもそも口を触ろうとして噛んでくる子に関しては、口の中が痛い、口を触られることに恐怖心がある、慣れていないなどあります。少しずつでいいので、口元を触るように努力してみましょう。口元を触ることができれば、ご褒美をあげるなど褒めてあげてください。

2.歯磨きペーストなどを使って、指で歯を触る練習をしましょう

『歯磨きはおいしい!』ということを覚えさせるためにも、是非歯磨きペーストを使ってみてください。ただのペーストではなく、酵素などが入っているため、舐めさせることだけでも効果はあります。歯や歯肉にペーストをつけてあげて、ペロペロと舐めていてくれている間に、歯をしっかりと触る練習をしましょう。

3.デンタルブラシを使い、歯磨きしましょう

急に歯ブラシでゴシゴシと歯を磨くと、犬や猫は警戒してしまいます。歯ブラシを歯に一瞬当てて離す、を繰り返します。ここでも、歯磨きペーストをつけながら歯磨きをしてください。それに慣れてくれたら、徐々に歯ブラシを歯に当てる時間を長くしていきます。そして、歯ブラシをシャカシャカと動かして軽く磨いてください。ここでポイントは、力尽く磨かないことです。犬や猫の歯茎は人間よりも弱いため、力を加えすぎるとすぐに出血してしまいます。優しく1本1本軽く磨いてあげるように、心がけてください。

4.歯の裏側を歯磨きしましょう

これは上級者です。なかなか歯の裏側は磨けません。そもそも、口をカバのようにずっと開けておくことを犬猫は嫌がります。十分に歯磨きが慣れてきたら、挑戦してください。

口腔ケアグッズ

歯磨きペースト
歯磨きペースト
歯ブラシ
歯ブラシ
液体デンタルケア
液体デンタルケア
デンタルガム
デンタルガム

まとめ

飼い主さんのペットの口腔ケアに対する意識を変えるだけで、ペットのより良い暮らしが実現します。
ペットサロンや動物病院に全て投げるのではなく、まず自分で口腔ケアをやってましょう。そうすることで、今まで知らなかった沢山の情報が得られると思います。もちろん歯だけではなく、耳掃除や爪切りなど他のケアも忘れずに、ペットと向き合うようにしましょう。